草食系男子は、もうすでに世界に広がっている


私も30代になり、20代と話をしていると価値観の違いが多くなるようになって、自分も歳を取ってしまったなぁと残念ながら感じることが多くなってきました。

特に、20代で女性にあまり興味がなくてお金を使うことにもあまり興味がない、いわゆる世間の言う草食系男子というタイプの人たちと話をしていると、私の世代とは価値観がかなり変わってきているのかなと言うことを実感します。

数年前はそういったタイプの男性は日本人に特に多かったような気がしますが、ここ2,3年で、外国人と話をしていても同じようなタイプの20代が増えてきているように感じます。

ここ数年の、私が体験した海外の20代の草食系タイプの若者のエピソードを紹介します

中国、雲南省

雲南省、大理という街を旅行していた時に、私は宿で20代の中国人の男性と親しくなりました。
彼は大学を卒業して上海のIT関係の会社で働いていたけれど、一年も務めないうちにやめてしまい、いまは物価の安い田舎の大理の安宿で泊まって暮らしていました

街中のカフェで働き、安い食堂で食事を済まし、夜は宿で知り合った旅行者と話をしながら彼は毎日を過ごしていて、みんなが寝静まった後には毎日PCで小説を書いていました。

村上春樹が好きだと言う彼は、いつかは自分の小説を出版したいという夢があるが、今はこの街で小さく小さく暮らして行くこんな生活が気に入っていると、お茶を飲みながら私に話してくれました。

彼に限らず、中国の田舎には質素な暮らしをするおとなしいタイプの男性が日本よりも多い印象を私は持っています。
上海や北京のような大都会でよい会社に就職していい暮らしのできる人はほんの一握りで、そこからはみ出してしまってはただの賃金の安い労働者として使い潰されてしまうのが中国社会の現実のようです。
そういった雇用体系に疑問を持ち、田舎で静かに暮らすタイプの人間は増えていくのではないでしょうか

イギリス、ロンドン

ポルトガルで知り合ったニュージーランドの若者と、ロンドンで再会をして数日を過ごしたことがあります。
彼は大学を卒業してからロンドンで庭師をしており、いまは友人と町外れのアパートでルームシェアをして暮らしていました。
週に五日は働き、週末は数人の気のおけない仲間とホームパーティーをするのが彼の暮らしでした。

いつかはニュージーランドに戻るが、いまはこんな都会の暮らしを楽しみたいからここで暮らしているのだ、と彼は私に話してくれました。
ニュージーランドに住んでいた頃に、自然に慣れ親しんでいたし、いつでも自分の好きな時に休みが取れるので庭師の仕事は楽しいと彼はいつも言っていました。
給料は少ないけれど、自由のためにお金を払っていると思えばこんな割りのいい仕事はないよ、と言っていたのが印象的でした。

彼のように、ヨーロッパの各地から、ロンドンに移り住んで働いている若者を私は多くみました。(ニュージーランドはオセアニアですが、英国と特別な関係にあるため滞在ビザは取りやすいようです。)
ロンドンの都会でしばらくの間暮らし、いつかは自分の国に戻って稼業のような仕事に就く。そんな将来像を話す彼らの暮らしは決して豊かではないですが、友人との交流などから彼らなりに幸せを見つけているようです。

ロンドンでも、日本以上にこういったシンプルな暮らしをしている若者は多くみます。
ルームシェア、自炊をして生活費を抑えるのは当たり前ですし、服もほとんど買いません。週末に親しい仲間とホームパーティーをすると言うのが彼らのよくある楽しみ方です。
ただ、ヨーロッパの若者はたいていが交際相手がいるのでそこは日本と違っているかもしません。お金を使わずに暮らし、そして交際相手をつくることは難しくないと言う彼らのライフスタイルの方が日本よりも幸せを感じやすいのかなとも思ったりします

アメリカ、ロサンゼルス

アメリカで知り合った韓国系アメリカ人の知人は、大学を卒業した後はロサンゼルスの韓国人街にいる親戚の家に居候をしながら、ウーバーの運転手をしていました。
消費大国のアメリカに住んでいるにもかかわらず、買い物はほとんどせず、親戚の家の一部屋を借りていつも自炊をして暮らしていました。

面白いことに、彼は自分とは収入が大きく異なる、お金持ちの友人とも当たり前に交流をしていました。
人種も年齢もあまり気にしていないようで、多種多様な友人がいる彼の交流関係はまさにアメリカならではだなと感じます。
何人かでドライブに行ったり、キャンプをしたりという活動を楽しんでいて、車やキャンプ用品は持っている人が持ち寄ってみんなで使うというのがかなり当たり前のようでした。
お金は持っている人が払い、彼のような収入の少ない人は使わなくて済むような環境が自然と出来上がっているようです。

ロサンゼルスでは、彼のように小さく暮らす若者はそこまで多くないように感じます。
けれども、多くの人種が入り混じり、文化も言語も多様なロサンゼルスという街では、彼のような暮らしもなんの違和感もなく嵌まり込むことができ、誰からも否定されていることはありませんでした。
ロサンゼルスと言う街の、どんな人間も飲み込んでいく懐の大きさを彼の暮らしや彼の周囲の人間からは感じます。

草食系は、当たり前になっていく

わかりやすいから使っていますが、私は草食系という言葉があまり好きではありません。
飢え死にする心配もなく、住む場所が確保できる若者が、労働よりも自分の時間を優先するのはとても当たり前のことなので、それをわざわざカテゴライズするのは新しい価値観についていけていないだけのように感じるからです。

今後、単純労働はどんどんすくなくなっていくでしょうし、一国の中での収入の格差がひろがっていくことは避けられません。
順調に収入がステップアップしていくような環境にいない若者が、彼らのような価値観になっていくのは当然ですし、今後も増えていくでしょう。

日本のそう言うタイプの若者は、友人がいない、交際相手がいないという点でヨーロッバのどうタイプの若者よりもすこし寂しい暮らしのように感じます。
ヨーロッパでは、収入の少ない若者の場合は男性が全額奢ると言う文化は日本ほど根付いていませんし、見栄をはるという感覚も希薄です
収入が少なくても交際をすることができる、そういう男女交際のあたらしい形が日本にも根づけば、また日本の若者の感覚もかわっていくのではないでしょうか

収入よりも、自分の幸せ。
そういう価値観はとても大事ですが、金銭のように数値化できないぶん、充実させるのは難しそうです
そういった数値化できないものを追い求める現在の若者のライフスタイルは、今後も進化してひろがっていくのではないでしょうか

ここ数年の世界の若者の姿を見て、そんなことを感じました
ほいでは!


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